2008-01-30

ふゆ モツ 焼酎 (+馬刺)

【今日やったこと】
ウェスタン。

もう、何も言うまい。

◇◇◇


いつもお世話になってきた秘書さんが、いよいよ来月研究室を去られるので、
去年の末から、新しく秘書になられる方が引き継ぎもかねて研究室に来られている。

去年の末から研究室で働いてもらっているというのに、やれ年末だ、年始だとみんなてんやわんやだったもので、今の今まで、歓迎会をしないできてしまった。

さすがにそれも失礼、と言うことで、いよいよ昨日がその歓迎会だった。

何せ冬の北海道、外はしこたま寒い。

こんな寒いときに、みんなで食べるものと言えば...。もうあれしかないでしょう。

そう、なべ。

しかも、モツ。


大学の近くに最近できた、博多風のもつ鍋屋さん。建物は、旧大学宿舎だったそうで、開拓時代の、旧館の雰囲気そのまま。入り口をライトアップした光が、屋根から下がる1メートル近いつららに乱反射して、現代とは思えない、とても幻想的な雰囲気だった。

そんな趣のある建物のもつ鍋屋さんだから、中も決して、良くもつ鍋屋さんにあるような、散らかった感じではなく、とても落ち着いたお店だった。焼酎もたくさんあったし、食べ物味も悪くなかった。みんなでニンニクくさくなるのも気にせず、よく飲んで、よく食べた。

学校のそばに、こんないいお店があるなんて。

結局新しい秘書さんとは、全く話さないまま、終わってしまったけど、
冬の醍醐味はしっかりと堪能した一夜だった。

...また、機会があったら行こうかな。冬のうちに。

2008-01-28

タックル

【今日やったこと】
相変わらずウェスタン。

どこまでも荒野を行く。

地平線の彼方に見えるのは、すわ、オアシスか。

それとも、泥沼か。

カリフォルニアはまだ遠い。


◇◇◇


学会行ってきた。

ウナギの学会。


一般の人から見たら、想像もできないだろうが,こういう、とてつもなく、
マニアックな世界というのが、世の中にはある。

世界から、そろいもそろったり、50人ほど。

学会としての規模は、ごく小規模な方だが、内容はきわめて濃かった。

ほとんど、外国からのお客さん。

もちろん、会話はほぼ英語。

至る所に、ウナギの写真、進化の系統樹。


自分は全くついて行けなかった。

それでも、共通の興味があるというのは不思議な物で、
自分の頼りない英語力であっても何とかコミュニケーションをとったり、話の内容を理解したりできる物らしい。

何も、理解できなかったようでいて、今思い出してみても、いろいろ新しいことを知っていることに気づくのだから、不思議な物だ。

これから、こういう国際学会みたいなのに参加する機会は増えていくのだろう。

偶然その会に参加しておられた、知り合いの先生から言われた、
“とにかく話せ”
と言う言葉を胸に、とにかく、当たって砕けてみようと思った。

2008-01-20

冬眠

【今日やったこと】

ウナギに試薬を注射。

水槽の中で一匹死んでいるのを発見。

すばらしい腐臭。

持って帰って、ゴミ箱に封印。

◇◇◇

本当は、昨日も多少実験をする予定でいたのだが、すっかり予定が狂ってしまった。

朝起きて、起き上がろうとすると、何ともいえない疲労感。

体が、腰のあたりを中心に、布団に沈み込むように、だるい。

布団を押しのけた後、思わずまた、逆戻り。


思えば、ここ数週間、ほとんど何かしらの作業を土日に入れていて、本当に学校に行かずに過ごした日はほとんど無かった。

その疲れが、今頃来たのだろうか。


外は、まばゆいほどの粉雪。

この日、釧路では、-30度を切り、ダイヤモンドダストまで、見られたという。

札幌も、そこまではなくとも、窓ガラスに霜の花が咲く程度には冷え込んだ。

暖房はフル稼働。

先月の電気代、1万円弱。ほとんど家にいないのに。


遮光カーテンの隙間から、外の光が見える。

ベランダに積もった雪が、真っ白な光の帯を、暗がりの中の壁に投げかける。

舞い散る埃が、きらきらと光っているのが見える。

コロイド。

ずいぶん前に聞いた言葉をふと思い出す。

思えば、ダイヤモンドダストも、一種のコロイドなんだ。

そんなことを考えているうちに、

いつしかまた、眠ってしまった。


昨日は、そんなこんなで、家の中で、久しぶりにゆっくり過ごした。


ずいぶん見ていなかった昼間のテレビを見て、しばらくご無沙汰の、
宮沢賢治を読んで。


おかげで今日は、ずいぶん気力体力ともに充実した気がする。

やっぱりたまには、何にもない時間ってのは、大切なんだなあ。


心の充足とは、空白。

2008-01-18

本当のブルーブラック

【今日やったこと】
またまたまた、ウェスタン。

しばらく、ブログさぼっていたけど、その間の実験をまとめると、
ウェスタン。

明日も、明後日も。

時々はELISAに浮気するけどね。


◇◇◇

以前、ペリカンの万年筆を買って、その色が、意外と青かった、と言う話を書いた。

これが、噂に聞くブルーブラックかと、そのときは感動していたのだが、

その後、その万年筆についてきた、インクカートリッジが切れたため、あらかじめ買ってあった、ペリカン社純正のインクを使うことになった。

初めての、インク壺。なんだかレトロ。書き手の心を奇妙にくすぐる、この感覚。わかるまい。

たとえて言うなら、初めてちょっといいウイスキーを、ロックで飲んだときのような。

鏡月グリーンをペットボトルで飲んでるうちは、わからない大人の世界。

琥珀色の感動。

あんな感じだ。


万年筆のインクは、ボールペンと違って、水でにじむ。

涙でにじんだ手紙。

あれは、100均のボールペンでは、逆立ちしても出せない情緒。

別に、涙でにじませたくは、無くとも。



インクと一緒に買ってあった、コンバーターという、いわば、注射のシリンジのような装置にインクを吸い込み、ペン先を取り付けた。このコンバーターが、今までのカートリッジの代わりに、インクを供給してくれる。

ペン先に、インクが回るのを待って、おもむろに、ペンを走らせた。

すると、

なんと、インクの色が、わずかに違うではないか。

今までの物より、ずっと黒い。

書き始めは、やはり鮮やかな青なのだが、時間がたつと、ずいぶん色が落ち着き、黒っぽくなる。

なんだ?これは。

今までの物とは、違うのか?

今まで使っていたインクも、元々ついてきたやつだから、ペリカン純正。

と言うことは、今まで使っていた物は、本当のブルーブラックではなかったと言うことになる。

おそらく、書いてはなかったけど、ただの、ブルー。

あのときの俺の感動は、空回りだった。


世間知らずのから騒ぎ。


でも、この色の方が、ずっと黒に近いので、今までよりも、普通に使えそう。

さすがに青では、何かにかまわず使うわけにも行かなかったしね。



涙でにじむ点にも変わりはないし。

…望んでないけど。

2008-01-06

新春ドラマ漬け

【今日やったこと】

ウェスタン。

結果はあまり芳しくない。

まだ可能性はゼロじゃないと思って続けてはいるけど、

感情的にあきらめきれてないだけかも。

さて、次はどうしようか。

◇◇◇


盆暮れ正月もなく、実験をしているつもりだが、

それでも、本当にそんな生活を続けていると、季節感も、時間の感覚もなくなって、

そのうちだんだん疲れてモチベーションが落ちてくるので、

できるだけ、休みの日は、休むように心がけてはいる。


1月三日はそんなわけで、実験を休むことにした。

なんと言っても、次の日は仕事始めだし、正月中は、昼夜無視で実験しまくっていたので、このまま、社会が動き始めると、非常にまずい。

生活リズムをノーマルにするために、休む必要があった。


休んだ、と言っても、何か、特別なことをしていたわけではない。

実際、前日の実験が終わったのが、その日の3時であり、寝たのは4時近く。

当然目覚めたのは、2時過ぎ。

しかも、体が全く動かず、そのまま、テレビを見るくらいしかできなかった。


正月のテレビは、とにかく、くだらないことで有名だが、正月も3日を過ぎると、だんだん、スペシャルドラマとか、少し手の込んだ物が多くなってくる。

自分の場合、ちょうどテレビをつけたら、徳川吉宗の出世ドラマみたいなのがやっていたのを見つけてしまったために、それに釘付けになり、食い入るように見てしまった。

しかも、このドラマ、正月に良くある、半日近くやっている、大長編物で、それ故に、それに心奪われた私は半日近くテレビを見ることになってしまった。

全く、余計なお世話である。

せっかく休むのだから、どこか、少し出かけようと、思っていたのに...。


けれども、幸か不幸か、自分はそれほど興味が持続する方ではなく、飽きるのが非常に早い。

だから、このドラマも、吉宗が紀伊徳川藩主になったあたりで、勝手にめでたしめでたしにして、見るのをやめてしまった。

実際問題、このドラマは、どうやら創作っぽい話が多くて、リアルさに欠け、全てみるほど、のめり込めなかった。赤穂浪士も出てくれば、水戸光圀も絡んできて、さらに、紀伊国屋文左衛門まで登場した。ほんとに、こんな人たちが、吉宗の人生にどこまで関係していたのか、怪しめば、きりがない。(水戸徳川家と、紀伊徳川家はライバルのはずなのに、なんで、水戸光圀が吉宗の出世に貢献するわけ?)

それでドラマは飽きたかと思いきや、今日も、宅急便を受け取りに家にちょっと帰ったついでにテレビをみたら、“のだめカンタービレ”の二日目がやっていて、一話目も、ドラマ本編すら、見たことがないのに、思わず見てしまった。

コメディだったんだね、これ。

いろいろとブームになっていたのは知っていたが、何でこんなにもてはやされているのか、全くわからなかった。今日見て、少しわかった気がする。意外におもしろかった。
(とくに、のだめが3曲目に引いたラベルの曲は、個人的にすごく好きな曲だったので、なおうれしかった)

そうこうしているうちに、まもなく、大河ドラマが始まってしまう。

ドラマは普段全く見ないし見れないけど、それでも唯一見続けたのが、大河ドラマ。

ずっと戦国物が続いて、今度は幕末。しかも、ヒロイン物。たいてい、あんまりおもしろくない。

どうせ幕末の島津なら、西郷隆盛を主役にするぐらいじゃないと...。

いっそのこと、また戦国で、真田昌幸を主役にするってのも、おもしろそうなんだけど...。

いろいろ小言はつきないけれど、とにかく、しばらくは見てみようかな。

2008-01-02

正月を探しに

【今日やったこと】

モノクロが、できたかも。

勢いつけてまたウェスタン。

これもうまくいけば...。

うまくいくかなあ。

◇◇◇


正月の街を歩いた。

確かに、日こそ暮れていたが、

札幌の街の中心部だというのに、人影はもうまばらで、
道行く人も少ない。

遠くに見えるマンションの窓という窓は、まだ遅い時間でもないのに、
明かりが消えたまま、生活のにおいすら消えてしまっている。

休んでいるのを見たことのない、電気店も、コンビニも、市庁舎も
どうやら無人となっているのだろう。看板にすら、明かりが見えない。

この街はもはや、街として機能していない。そのことをひしひし感じる。


お正月を探しに、街へ出たのに、目に映る物物に、正月の色はなく、時折、無人のビルの内窓の中に、申し訳程度の小さなしめ縄飾りや、門松を見つける程度だった。

門から入る邪を払う門松は、誰もいないビルの玄関の中で、ひっそりとたたずんでいる。
守るべき人が居るでもないのに。

どこまで行っても、正月がない。

自分の探している正月が。


昨日降った大雪が、昼間に溶け、また凍り始めており、足下はかなり悪かった。

歩くのに早々に疲れ、もう引き返そうと思い、ふと、思った。


自分の探している正月など、この街にあるはずはないのだ。

都市にとって、正月とは人がいなくなることなのだから。

自分の探している正月は逆に、会えなかった人に、会えることなのだ。


街が、仕事をして、お金を稼ぐという、共通の目的を持つ人々の集まりであるなら、

そういった、いわば人間の煩悩は、大晦日の除夜の鐘とともに雲散霧消し、

一時的であれ、街はその存在意義を失って、静まりかえる。

人々は、仕事のために犠牲にしていた家族を思い出し、それぞれの故郷へ帰っていく。

まるで、今までの華やぎが、何か演劇のような一種の“うつつ”だったかのように。


でも、誰もいない街。これが本来の姿なのかもしれない。

仕事のことさえ、問題にならなければ、誰しも、家族をおいて遠く離れた土地まで、やって来はしないだろう。

みんな、働いている。いくつもの心配と、不安を故郷に置いて。


こんな時でもやっている、マックで遅い昼食を食べ、コンビニで、飲み物を買い、こんな時すら、明かりが減ることのない、病院の入院棟の小窓一つ一つに、小さくため息をついて、正月すら家に帰らない、親不孝で、世間ずれした息子は、白い息つき、小部屋にこもった。