2010-12-24

生体系 (body system)

人の体は、実際問題、人の細胞だけから成り立ってるわけではない。
腸内細菌とか、皮膚表面の常在細菌とか、そういったものが存在しなければ、正常な体の機能が果たせない場合もある。

そうであるならば、こう言った、身体を構成する他の生物も合わせて、1つの系として扱うことが必要になるのではないだろうか。

「生態系 (ecosystem)」という言葉があるのならば、「生体系 (body system)」という言葉があってもいいような気がする。

体としての機能はこう言った生体系の単位で果たされ、それが自然選択されるのだから、進化も、生体系の単位で起きるのではないだろうか。ある種への自然淘汰は、必ずしもその種の遺伝子だけに作用するのではなく、その生体系を構成する全ての生物種の遺伝情報に及ぶのだろう。

そういう全体的なゲノミクスが、これから必要になってくるだろうなあ。

2010-12-22

忘れられない忘年会

【今日やったこと】
in situ。根負けしそう

◇◇◇

毎年恒例の忘年会が先日終わった。

例年、この研究室の忘年会は、研究室外の人をゲストとして招く形で行われる。

去年はずいぶん客が少なく、多めに買ったコストコピザが一ヶ月分余って、夜食には困らない(ただし飽きる)日々が続いたのだが、今年は予想以上にお客がたくさん来て、二箱分ほどあったはずのビールが夜中頃に足りなくなるほどだった。

ビールがきれても宴会は続き、日本酒やら、ワインやらのストックにも手が伸び、実験用の冷蔵庫の一角を、長らく占めて問題になっていた酒瓶の林は、すっかり間引きされて、間伐された林のように見晴らしよく、すっかすかになっている。

どうやら今年は、研究室の先生が客員講師として行っている他大学の学生さんや、学生がお手伝いで行っている病院の職員さんたちも来てくださったため、例年以上に人が入ったらしい。

終わった後の散らかりっぷりは相当なものだったが、会そのものは非常に盛り上がり、いろいろな人と、いろいろな話(今後の進路問題、カレカノの今付き合ってんの?付き合ってねぇの的な問題、私、深海に行きたいんです的な告白、だったら俺、人類も地球も捨てて宇宙に行きたいんです的な問題発言、あ、〇〇先生階段から落ちた!的なハプニング、酔って病棟の方に行ったかも!的な非常事態、あ、廊下で吐いてる!的なお決まりの展開、等)をすることができた。

おかげで今日はぐったりで実験にならなかったが、疲れに見合う会だったような気がする。

幹事さんにはご苦労様だな~。

2010-12-10

卒業論文終わり

【今日やったこと】
RACE, in situ 相も変わらず

◇◇◇



長かった卒業論文か気がやっと終わった。
17:00締切りで、16:00に提出。

でも、研究室の技師さんに聞いたら、まだ早い方らしい。
「あと10分待ってください!」と事務に頼み込んで遅くしてもらう人もざらだとか。

それでも予想よりこの論文はかかった。
日本語でもこんなに面倒だったのだから、これがもし英語だったらと思うと、オソロシイ。


論文が終わって、先生に査読の手伝いを頼まれた。
某国際誌に投稿された論文なのだが、これがちょっとひどかった。
切片の写真が軒並みぼやけている。矢印がどこを指しているのか全くわからない。
抗体染色は全面が染まっていて、説明もない。
おまけに、図表は間違っているし、体裁も変。

それでも、にべに扱うわけにもいかないので、そういうところを逐次挙げて、先生に返事をしておいた。
その結果、先生から間もおかずに返事が帰ってきて、
「あの論文は以下のように返答しました」
とあり、

「reject (却下) 」
とあっさり書いてあった。

自分が論文書いたばっかりだからちょっと気になるだけかなと思っていたら、やっぱりひどい論文だったらしい。科学の世界の厳しさを知ったけど、あれくらいひどいのを平気で投稿するのはどうかしているなとも思った。

それから、前にも書いたか忘れたが、今年はうなぎが非常に不漁で、シーズンにとっくに入っているはずなのに今だに全く漁獲がない。実験にもならないので、今はちょっとゼブラフィッシュに手を出している。

研究室のお父さん先生の家で余っていた水槽を借り、砂利をひき、“水作エイト”でエアレーションをし、現在6匹ほどを飼育中。かわいい。が、もともと買ったときは10匹いた。一匹はRNAに、二匹はパラフィンブロックに、もう一匹は自由を求めて水槽を飛び出し、床の上で煮干しのようになっていた。

自分の中ではこの最後の死に様に、男を感じている。

ちなみに、ゼブラフィッシュは楽天で10匹500円で売っていた。
頼んだら次の日に届いた。プライマーよりも安易ないのち。

しばらくはこのブログのタイトルも“おかの上のゼブラ”にしようかと、本気で考えている。