SDS-PGAEのゲルを固め中。
脱気しなくても、固まるんだ。
O/Nで固めたほうが、いいんだ。
アクリルアミド水溶液って、売ってるんだ。
新しい研究室は、新しい発見の連続。
たとえ、どんなにやり慣れた、メソッドでも。
お国の政治の突然のどたばたに、私もすっかり注意をそがれてしまい、書きたくても、ずっと書けずにいたことがある。
場所はアフリカ奥地、ギニア。ニンゲンの隣人、チンパンジーが未だに生息する場所。
京大の霊長類研が、また、面白い発見をした。
asahi.comからの抜粋を以下に挙げる (9/12)
チンパンジー、パパイア盗んで雌に「贈り物」
雄のチンパンジーが盗み出したパパイアを発情中の雌に与える行為がアフリカのギニアでみつかった。雄はその後、交尾したり毛づくろいをしてもらったりすることが多かった。こうした見返りを期待した「贈り物」を使う行動が、人間以外の霊長類でみつかったのは初めて。12日付の科学誌プロスワンに発表する。
つまり、チンパンジーも、メスに贈り物をして、プロポーズしているようだ、というわけだ (結果は多少露骨だが)。
記事によると、家族、親子間で、盗んだものを分け合う行為は観察されていたが、このような例は初めてだという。
まだ、観察例が少なく、より詳細な観察が待たれるが、骨などには残らない、ニンゲンの内面の発達、進化を考える上で貴重な発見だと思う。
また、この発見に、同じ研究所の松沢先生がコメントを寄せている。
『雄は農産物を盗み出す際に人目を気にして毛を逆立てて体をぼりぼりかくなど極度の緊張状態になる。そうした危険を冒して手にした食べ物をあえて雌に分け与えることは、交尾などとの交換を期待した「贈り物」をする行為だとみている。』
たしかに、拾ったものなどではなく、命の危険を冒して手に入れたものを、わざわざメスに与えている、という点は興味深い。
近所の交差点で配っているような、ポケットティッシュをひとにあげても誰も喜んではくれないが、西表島の、ごく限られたエリアだけで配られてる、農協かなんかのティッシュを、わざわざもらってきて、
『これを、きみに』
なんて、汗だくで、息せき切って渡したら、きっと喜んでくれるだろう (相手の性格にも、依存するが)。
チンパンジーにとっても、同じなのだろうか。
だとすれば、メスは、パパイアの『価値』、つまり、それほど苦労しなくては、手に入らないほど貴重なものだということを、知っているのだろうか。
もしかすると、別に、パパイアでなくとも、その辺にたくさんある食べ物を与えても、同じような効果はあるのだろうか。
興味は尽きない。
まあニンゲンなら、その辺にたくさんある食べ物を与えても、同じような効果がありそうな人は、結構いるけどね。