久々のSDS-PAGE。
サンプルをよく煮て、ゲルをきっちり流して、
泡ぶくだらけの泳動層の中で、1hr泳動。
使い古しのどろどろのCBB液で染色。
昔、もっと神経質にやらないと怒られたもんだったけど、
コツをつかめば、手の抜き方も、わかってくるってもんだ。
慣れるってすばらしい。
慣れるって恐ろしい。
昨日家に帰って、夜中のニュースをずーっと見ていて
頭の中に、思い浮かんだ、お話。
A子さんは、お母さんに、私も水泳を習いたい、といいました。
A子さんのクラスでは、今水泳が流行っていて、友達はみんな、
近所のスイミングスクールに通っていたのです。
お母さんは、A子さんのおじいさんが、若いころ、ゆうしゅうな、すいえい選手だったことを知っていましたので、
「きっとあなたなら、ゆうしゅうなすいえい選手になれるわ」
と言いました。
A子さんは次の日から、スイミングスクールに通い始めました。
スイミングスクールの先生たちは、A子さんのおじいさんがゆうしゅうなすいえい選手だったことをよく知っていましたので、はじめは、
「きっときみは、ゆうしゅうなすいえい選手になるよ」と言っていました。
ところが、A子さんは、ひどいカナヅチでした。
先生たちは、それでもがんばって、A子さんが泳げるように、教えてくれましたが、
A子さんは、何度やっても上手に泳げません。
同じクラスの一郎君は、そんなA子さんの脇をすいすいと泳ぎながら、
「じいちゃんが優秀だからって、孫がゆうしゅうとはかぎらねえな」
と言って、笑っていました。
あるとき、A子さんは、ついに、沈んで、おぼれてしまいました。
先生たちのおかげで、何とか無事に助かりましたが、
先生たちは、このままでは、命の危険にかかわると思ったので、ついにA子さんに言いました。
「あぶないから、やめたほうがいいんじゃない?」
それでもA子さんはあきらめませんでした。
毎日毎日、スイミングスクールに通い、必死に泳ごうとしました。
いつしか、季節はめぐり、
始めた時にはたくさんいたお友達も、ひとり、またひとりと、スイミングスクールを辞めていきました。
A子さんには、よくわかりませんでしたが、“いっしんじょうのりゆう”、“おかねのもんだい”、“じょうすいき”、というもののために、スイミングスクールをつづけられなくなったようです。
それでも、A子さんは続けました。
いくら、周りの先生が、やめろやめろ、と叫んでも、A子さんはつづけようと思っていました。
しかし、
あるとき、同じようにつづけていた一郎君に挨拶しようとしたら、
「挨拶なら、結構」
と、拒絶されてしまいました。
次の日から、A子さんはスイミングスクールに来なくなりました。
どうして行かなくなったの?と、お母さんに聞かれた時、A子さんはこう答えたそうです。
『一郎君にきょひられたから』
A子さんのお母さんは、先生方に、
「A子は泳ぎすぎて、かぜを引いて、最近はおかゆしか食べていなかったので、スイミングスクールは今日限り、やめさせます。」
と電話をしました。
先生方は突然のことにびっくりしましたが、内心ほっとして、A子さんがやめる手続きを取ってくれました。
そのころ、A子さんは一人、おうちで横になっていました。
横になりながら、オーストラリアの友達と交わした、一緒に泳ごう、という約束は、結局かなわなかったなあと思って、めそめそと泣いていました。
A子さんは、もうすぐ、今のおうちを引っ越すそうです。
一郎君は、あのおうちに昔から住みたいと思っていたので、次は自分が住むと、きっと狙っていることでしょう。
おしまい。
てんでんぱらりの、ぷう。
...。こんな暇あったら、勉強したほうが、ましだ。
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