メディウムを換えて
コロピー。
後は、寝よう。
堀辰雄という作家の「風立ちぬ」を読み始めている。
時代的には芥川龍之介くらい。
明治後半、大正、昭和前半の作家。
芥川ほど、有名ではないけれど、
名前位は聞いたことはあった。
でも、本を読んだのは始めて。
...すごい。
たしかに、芥川を呼んだ時に感じられる、
ごりごりと押してくるような言葉の洪水や、
完璧に汲まれた石垣のような天才性は感じない。
でも、婚約者との会話の中の、言葉にならない言葉を
これほど書ける作家は少ないのではないか。
芥川のように、伝説的な超人を多く書いた作家とは違い、
この人の描いているのは、ありふれた二人の会話。
そこに流れる空気。
二人は、どちらも結核で、一つのサナトリウムに一緒に行こうと決める。
そう言う話。
言葉遣いも文章の雰囲気も、
もっと新しい時代の作家なのではないかと思わせるほど
現代的。
著者は実際、結核で若くして亡くなった方。
この時代の作家には多いパターン。
たとえば、おそらく日本語の最高の小説の一つ、
「檸檬」を書いた梶井基次郎も、結核で若くして亡くなっていたはず。
堀辰雄も、書いた文章の数は少ないみたいだけれど、
その分完成度は高そう。
もう少し、読んでみたいと思わせる作家だと思った。
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