先輩に勧められて
少し飲んだので、
もう帰ろう
スピッツの『うめぼし』の詞を
越えるすべが見つからずにいた夜
手に握りしめた ラガーの空き缶
溶けないスキムミルク
新聞の紙面を飾るリリーフエースの若い横顔
蛍光灯の明かりはまぶしく
白卓の反射は明るく
全て白の光の中で
不釣り合いなほど色のついたモザイクが一人
ここにいていいのかと疑念を抱きつつ
電源の切れたテレビは黒々と
華やかな世界の真実をあばく
あれもこれも全て虚像であったとテレビは言うが
虚像の果てに真実があったと妄信する信者は一人
虚像を虚像と信じる勇気も持てぬまま その場しのぎの笑顔の種で
満足している
鼻の下なげえ、あの面で
どの面下げて生きてんだ
こんちくしょうめ
あんちくしょうめ
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