先日作ったもの。
なんだかぼんやり疲れていて、
そのまま気持ちを言葉にしたら、
こんなになっちゃった。
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物価というものが、おしなべて需要と供給によって定まるとするならば
僕の値段は、いかほどだろう
八百屋の店先に並んだ僕を
ある日一人の女性が見つけた
「いくら?」
「250円です」
「ふうん」
「高いわね。目が、死んでる」
女性が求めていたのは、
一本の若いアスパラガス
まだあおい土の香りを、全身にまとわせたまま。
死んだ目をした一個の僕は、そのまま八百屋の店先に、根が生えたように寝そべって
いつまでも並んでいたが、あるときふと、店主が尋ねた。
「おい、これ、何日目だ」
「3日目です」
「全然動いてねえな。捨てちまうか。」
こうして僕は、店の裏方に、生ゴミのバケツに詰められてうち捨てられた。
そんな僕を、路頭の犬でさえ嫌い
野良猫ですら、避けて通った。
カラスなどはグルメなものだから、僕にこびりついた、古いマヨネーズばかりを食べてしまって、僕自身は食べようとはしなかった。
僕はこうして、明日の清掃車を待つ。
最後の日も、特にいつもと変わりはなく
星は夜に瞬き、太陽は西に沈んだ。
まるで、明日が続くと、言わんばかりに。
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