2008-03-31

僕らは蠅と同じものを食べている

30以降の自分の人生が、

全く見えなくなっていることに気づいた、今日。

小さい頃は、大人になったら、とひとくくりにされていた時間が、

今では手に取れる具体になって、

僕らの前に突き出されているというのに、

僕はそれにふれるすべを知らない。

ただその周りをぶんぶん飛び回りながら、着地点を探している一匹の蠅に
自分と同じ物を 見いだしてしまうのだ。

(やがて着地した後も、
手を摺り、足を摺って、いくつもの目をあたりに配って、
僕は生きていくのだろうか。)

はえたたきが飛んでくる
殺虫剤は改良される

人間は、自分と同じものを食べる生き物は、みんな嫌いだから、
それを殺す方法ばかり思いつく。

この鈍臭い生き物が進化の末に獲得した、思考という停止時間を蠅はあざ笑うように
メビウスの輪を空に描いた。

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