2007-09-20

本の背中をなぞって

【今日やったこと】

6つこしえたタンパク発現ベクターのうち、一つがちゃんとタンパクを作ってくれなかったので、設計しなおし。

でも、あとの5つは上出来。

前に似たようなことをやった時には、まったくだめだったのに…。

己の腕が上がったのか、研究室が変わったからうまくいったのか。

前者であってほしい。

4年もやってんだし。
◇◇◇


昔から、本の背表紙を眺めるのが好きで、時々買う気も無く本屋に行っては、背表紙を、ただ漫然と眺めて、帰ってくることがある。

本の背表紙は、たいてい、タイトルと名前くらいしか情報が無く、いろいろなきれいな装丁がされている表紙の表に比べれば、それはしごく貧相なものだ。

ぼーっと眺めていたって、大して代わり映えしないのだが、デザイン的に大して代わり映えしない分、その本のタイトルの良し悪しが、際立って来る。

本の内容と同じように、本のタイトルも書いた著者が決めるものだ。いまは、編集者やプロデューサーが決めることも多くなったようだが、それでも、その本の制作に携わった人には違いない。センスのいいタイトルは、その製作者の、言葉に対するセンスを表している。

たとえば、優れたタイトルが多いと言われるのが山本周五郎だそうで、確かに『樅の木は残った』だの『赤ひげ診療譚』だの『雨上がる』だの、歯切れの良い、こざっぱりしたタイトルが多い。印象に残りやすいし、一度は買って読んでみたいと思わせる。


最近、出版社各社が文庫本の売り上げ増加を狙って、てこ入れを行っているそうで、たとえば、ある出版社の『人間失格』は漫画の『デスノート』の作者が表紙絵を担当しているという。こういう取り組みはあちこちの出版社で見られ、単に表紙にアイドルや女優を起用しただけでも、売り上げが上がってしまうそうだ。

何を根拠に、本を選ぶかは人それぞれではあるけれど…。

表紙で本を決めた人の何割が、最後まで読むのだろうか。

タイトルだけで決めている人間が、偉そうなこといえないけど。