2008-04-10

桜餅-2

今日研究室で、議論になったのだが、
北海道では、桜餅は“ぶつぶつしている”ものらしい。

僕は、桜餅にはつるつるした、餅のクレープみたいなもので
あんこを包んだ物もありませんかと聞くと、

その先輩は、北海道では、見たことありませんと言う。

僕の地元では、どちらも一緒に売っていて、
つるつるした方を桜餅、
ぶつぶつしている方を桜餅(道明寺)
と、括弧付きで売っていることが多かった。

だから、先輩の言っているのは、道明寺ではないですか、
と言うと、
その先輩は、桜餅に、二種類もあるなんて、知らなかったと言う。

実際今日食べたのも、道明寺だった。
つるつるした方は本当に売っていないのかもしれない。

その後、ネットで調べてみたら、
つるつるの方は長明寺と呼ばれ、
主に関東圏の桜餅らしい。

一方の道明寺は、関西中心なのだそうだ。
意外に北海道の文化は、関西の流れも汲んでいるのだろうか。

どこかで聞いたような地名と、
なぜか古代の響きのある、素朴な地名とが
垣根もなく混在し、

東北なまりのようで、よく聞いていると、
似ても似つかないイントネーションを持った、独特の言葉の中で
互いに会話しているのを日々耳にして、

ほんとうに文化が融合して、煮詰まっているのは
東京ではなく、実は北海道なのかもしれないと、
密かに思ってみたりした。

桜餅

【今日やったこと】
超寝坊。

だって寝たの、朝方。

そうやって、がんばって撒いた大腸菌は
今日は広いLB プレートの片隅に
控えめに小さなコロニーを作ってくれた。

でも、たった二個。

コロピーする気も、起きない。
作戦、立てなおそ。

◇◇◇

最近研究室に、新入生が入って、
その多くが女の人だったので、
なんだか全体がきゃっきゃしている。

自分はそういうのに入っていく方ではないので、
若いなあと思いながら、
実験室の片隅でちまちまとプレートをつついている。

よく考えたら、みんな、自分の妹世代より
年下なのだ。

家族という物は、何となく年代の指標となる物のようで、
家族で一番年下の、妹より下、となると、
もう自分の感覚では計りきれない領域に入ってしまった感がある。

今までずっと見てきた、年上という物と違い、
年下という物は自分が生まれたときには、いなかった人間なのだから、
年上よりも、より、未知の世代という印象がある。

何を考えているのか、どんな物が好きなのか、
どういう言葉を使うのか。
その全てに未知の部分があって、年上達はそれを知らないことの
怖さに、おののいてしまう。

今日研究室に、誰かの買ってきた桜餅がおいてあった。
自由に食べて良いと言うことなので、実験の合間に一人で取って食べていたら、
部屋の向こうで、新入生も集まって食べていた。

皆一様に、おいしそうに食べている。

この時期の桜餅でも、おいしいものはおいしいのだ。

僕は少なくとも、桜餅のおいしさは、世代を超えて受け継がれていることを知って
安心して泳動に向かった。