2009-12-30

深雪のカントリーロード

【今日やったこと】

PCR

ひたむきに。

◇◇◇



忘年会が終わり、クリスマスが過ぎて、世の中が一気に年末モードに入った。

研究室にいると、全く季節感がないので、今朝、家を出がけにテレビを見て、帰省ラッシュが始まりました、と言うフレーズを聴くまでは、全然そんな実感が湧くことがなかった。

でも気がついてみれば、車の通りはいつもと違うし、研究棟の建物の中も、いつもと違ってひっそりとしている。

今日はまだ、午後遅くになって、数人の後輩が研究室に来たけれども、帰りがけ、皆口々に「良いお年を」と言って去っていく。

もう今年は来ませんよ、と言う意味のようだ。

かくいう自分も、今日から、正月五日まで、休む計画でいる。
正直、研究計画は年を追うごとにタイトになっていて、気分的には休んでいるような気分でもないのだが、ここ最近PCRとFACSばっかりやっていて、単調すぎてなんか頭がパンクしそうだし、いい気分転換にはなるかも知れない。

例年は飛行機でぱっぱと帰るのだが、今年は電車にしてみた。
年末の飛行機は、割引がきかないので、値段的にはむしろ安い。

時間はかかるが、夜行列車には乗れるし、真冬の早朝の青森を列車で駆け抜けるなんて、滅多にないだろうし、何より、乗ったことのない新幹線の“はやて”にも乗れる。ちょっとした冒険気分だ。

さて、どんな正月になるか。

まあ、大抵、二日酔いで、元旦から寝込むのがオチなんだけど。

2009-12-26

ウタゲの後/腹痛前夜

【今日やったこと】

PCR。

あるの?
ないの?

はっきりしなよ。
◇◇◇


研究室の忘年会が先週あり、例年どおり盛大に執り行われた。

この研究室は、それなりに歴史のある研究室のためか、毎年、すごい数のOBが忘年会には来訪する。そのため、現在所属する学生は、必死になって飾り付けやら、食料の準備やらに走り回らなければならない。

去年は研究室の引っ越しのため、忘年会はなかったのだが、今年は、引っ越して最初の年と言うことで、OBの先生も来たがっているだろうし、例年通り挙行しよう、と言うことになった。

「何人分の食事、準備しましょうか。」
「とりあえず、50人分。」

そんな会話が取り交わされる、規模の大きな忘年会。

さて、いざ準備して、会が始まってみると……。

「……今年、少ないですね」

会が行われたのが月曜日と言うこともあってか、例年の半分ほどの人も集まらなかった。
それでも、内輪の人間だけで20人前後はいるので、それなりに、今年も楽しい忘年会になった。

しかし、困ったことに、例年通りの大勢のOBを想定して買い込んだ、大量の食料が残ってしまった。食料達は、実験用の冷蔵庫にまではびこり、新しい試薬を置くスペースまでも占有し、冷蔵庫を開けると、冷えたピザの匂いが、すうっと、鼻腔奥を突く。

「……どうしましょうか、これ。」
「……食うしか、ねえだろ。」

ノルマを決めようと言うことになっている。

当然、冷えたピザを何枚食べるかと言う、ノルマである。


そんなノルマなら、ない方が、いい。

2009-12-19

寒さ・対策

【今日やったこと】
PCR。

テンプレートにする細胞を100個集めるのに、6時間もかかったなんて、
話しをすればみんな笑ってしまう。

笑い事じゃ、無いのに。
◇◇◇


新しいコートを着てきた。
北海道に来てから始めて買った、本格的な防寒着。

去年までは、大学の2年位の時に買った古い、分厚いダウンジャケットを着ていたのだが、さすがに時代遅れの感があり、しかも、襟元がすっかり茶色くなってしまって、見るもみすぼらしい様相を呈していた。

アメリカ屋(この店が、何処まで全国区なのか知らないが)、だったか、
なんかそんな感じのジーンズショップで買ったためか、サイズも異様に大きく、着ていると、何かの映画のマシュマロマンになったような、不格好で、気恥ずかしい気持ちになるのだ。

マシュマロマンは、真っ白だから、まだマスコットにもなれるけれど、茶ばんだマシュマロマンなんて、誰が好んで扮装するだろうか。

そんなわけで、買ったのである。案の定、ユニクロで。


ダウンではなく、えせ物のレザーの、しかも裏地はフェイク・ファーという。嘘つきの固まりのようなコート。

でも、これが、着てみるとかなり暖かい。
今まで、半袖Tの上に、長袖Tを着て、Yシャツを着て、セーターを着て、更にパーカーを重ねて、マフラーを巻いていたのだが、この偽レザーコートだと、セーターが要らない位の効果があった。

ただし、フェイク・ファーという言葉を意識する度に、何故か切ない気持ちになり、
何もない雪だらけの夜をひとりでふらふら歩いてみたい気持ちになってしまうので、放っておくと余計風邪でも引きそうな気がしている。







"くちびるをすりぬける くすぐったいことばの
 たとえすべてがうそであっても それでいいと"


切ねえ。

メカニクス

【今日やったこと】
セルソート。
わけられるもんなら、わけてみろ。

◇◇◇


先週、セルソーターの機能の一部が故障しているのに気がついたので、管理している技官さんに相談したら、近日中に、業者の方が来るので、ちょっと待ってくれと言われた。

話によると、その業者の方というのは、技術屋の方ではなく、営業の方なのだが、機械の構造に詳しく、簡単な修理ならしてしまえるのだという。


そして昨日になって、その件で技官さんから電話があった。
先日話した業者の方が来たから、機械の何処に不都合があるのか、説明していただけないか、と言うことだった。

わざわざ行かなくちゃならないんだ、などと、多少の面倒も感じながら、技官室に赴くと、業者の方が、お二方いらした。女性の方と、男性の方。どちらも見たところ若い方で、暗い色のスーツをきちっと着こなしていた。男性の方は、随分と若く、大卒ちょっと過ぎ位のように見えた。機械も直せる、という言葉から予想していた、ツナギを着たスパナの似合うおじさんではなかったので、だいぶ意外に感じた。

女性の方が前に立ち、男性の方はその後ろに控えるように立っていたので、とっさに、この女性の方が上司なのだな、と思った。

「あ、どうも」
僕がとりあえず頭を下げると、二人とも、軽く頭を下げた。

「……早速ですが、あのソーターをどのように使うご予定ですか?」
真っ先に口を開いたのは、女性の方だった。

「……サカナの細胞を流す予定なのですが」
僕がそのようなことを言うと、女性は、

「あのソーターの原理はご存じですか?用途によっては向かない実験もありまして……。一応点検しましたが、どうやら、チューブが詰まっているようで、ちゃんとした修理が必要かと思います」

僕はきょとんとして、その話を聞いていた。
機械も直せる営業さんというのが、この若い女性なのだと言うことがあまりに意外だったので、話しの初めを殆ど聞き逃してしまっていた。

「……ざっくりとしたお見積もりでしたら、数日中に出来ますので、では、それを見てご検討下さい」
営業の女性は、僕と技官さんを交互に見ながらそう言った。
あんまり真っ直ぐ人の目を見て話すので、ああ、この人はやっぱり理系なのだと納得がいった。理系の人間は、自分の専門分野を話す時には、相手の方を見て、ずんずん話すことが多い。この女性からも、同じものを感じた。

こういう人もいるんだ。
そう思うとなんだか面白かった。


圧倒されっぱなしの説明を終え、その話を研究室の先輩に話したら、

「最近、そう言う女の人って多いですよね」
と言う返事が返ってきた。

言われてみればそうかも知れない。
大学のネットワーク担当にも、確か女の方がいらっしゃったし、メカニックの技術を持つ女の人が、思ったよりもふんだんに、世の中にはもういるらしい。

なんかかっこいいものだ。

でもきっと、世の中には、同じくらい確かな数の、機械を全く扱えない男がいるのだろうと想像すると、思わず変な笑いが浮かんで仕方がなかった。

2009-12-10

来訪

【今日やったこと】

FACS。
駄目で元々。


◇◇◇



元の学校のあの方は、昨日お見えになり、
おせんべいと、いつもの笑い声を振りまいて、5分ほどで去って行かれました。

今の私めのBossと再会したのは、実はほとんど30年ぶりらしく、
若い頃の話を興味深く聞きました。

その様子を見ていた、技師のマダムは、元Bossのキャラクターに圧倒され、
「……元気の言い方ですね」
と言っておられました。

ええ。
元気のいい方です。

懐かしさ半分、
私は、少々疲れましたが。

2009-12-05

げげげの

【今日やったこと】
学会から、帰ってきた。

有り余るやる気と、疲労を抱えて。
大阪って、楽しいけど、なんか疲れる。

◇◇◇


学会期間中、お酒を飲み倒したせいか、なんだか、まだ、だるさが残っている。
研究を続ければ続けるほど、知り合いが増えるのはいいんだけど、あっちこっちの飲み会に顔を出したりするもんだから、昨日も、前いた学校の後輩と、三時まで、サシのみしてました。

来週は、前いた学校の先生(そう、あのひとだよ!)

が、いらっしゃるそうな。

「会えるか、わかんない」、とは、メールでおっしゃってはいたけれど、
会うんだろうなあ。たぶん。

私の頭の毛が、数本、逆立っているのを、感じています。