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当日は驚くほどいい天気に晴れ上がり、空には雲一つ見られなかった。
朝見た天気予報では、日本全国に晴れマークが並んでいて、雨の心配など、全くせずに済みそうだった。出不精の僕でも、さすがに家の中にいるのがもったいなく想われるほどの快晴で、心配した暑さもそれほどではなく、まさにお出かけ日和と言ったところだ。
大学の前に留められたシイタケの車はピンクのビートルという軽自動車で、車そのものは、それなりに、かわいい。もちろん、こういう色は、乗る人を、相当選ぶとは思う。
シイタケの運転する小さな車に乗って、僕とカタクリとは毎年ミステリーサークルの現れる田舎の山奥の村に向けて出発したのだった。
こういう時の法則に従って、僕が助手席でカタクリが後ろ。
男の方が地図を読めるという、一種の脳の性差に基づく、勝手な棲み分けによりこういう事になっているのだろうが、車を持たず、普段地図をあまり見ない僕が、果たしてどこまで、この法則に従えるかは疑問だ。
話を聞けば、カタクリも車を持っているとかで、自分はさらに自信をなくした。地図をうまく読めず、現在位置を見失って、うろたえることは、必至だ。そんなとき、きっと助けてくれるのはカタクリだろう。あきれたようにためいき、つきながら。
彼女を助手席に乗せ、小脇に抱えるようにして、車をバックさせたり、ギヤチェンジのある車の方がかっこいいからとマニュアル車にする友人が大勢いて、そんな話を聞く度に、僕は永久に彼女などできないとあきらめたものだ。
政治家の必須の要素に『地盤・看板・鞄』と言うのがあるそうで、地盤は地元の支持、看板は知名度、鞄はお金のことだそうだ。この三つがそろわないと選挙には勝てないと言われているそうだが、僕はこれにたとえるならば、男に必要な要素は『特技・車・鞄』だと思っている。
車がないやつでも、スポーツだとか、料理だとか、一芸に秀でたやつは、女の人の関心を引きやすいし、車を持っていればなおさら、向こうもこちらも声をかけやすい。どこかへ一緒に出かけるのに、相手が車を持っているのは口実になる。
金を持っていれば、魅力的なのは言うまでも無し。ただし、もちろんこの三点だけで十分というわけではない。そこには『顔』という努力だけではどうしようもない、先天的要素が、多分に絡んでくる。
ただ、いくら考えたとしても、もてない男のひがみにしかならない。自分に足りない物を、あれこれと挙げてみては、おれにはないから無理だと、己を説得しているに過ぎないのだ。こうして、いつしか、恋愛することそのものさえ避けてしまう。これが一番の壁だとすれば、それは僕にとってあまりに高い壁だ。
いつ、このシイタケが道に迷ってしまい、地図を必要とするかという恐怖を抱えたまま、僕は助手席で身を縮めていた。
2008-03-28
またまたアイデア
これはどうでしょう?
『チューリング・マシーン』
以下、wikiからの参考
--
チューリング・テスト (Turing test)
とは、アラン・チューリングによって考案された、ある機械が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテスト。
見識のある人間の判定員とそれから隔絶した場所に判定したい機械と本物の人間を用意し、(機械が音声や仕草まで模倣する必要を避けるため)キーボードを使って会話をしてもらう。そして判定員は判定対象にどんな質問をしても構わない。もちろん判定される対象はきちんと回答してもよいが、適当なことをいったり無視しても構わない。そうして、もしも判定員が機械を人間だと取り違えれば、その機械は十分知的な存在であると判定される。
--
つまり、人工知能を判定するための方法の一つ。
これをもじって。
合理的、理性的な人間である主人公は、
世の女性に、真に魅力的な人などいないと感じていた。
皆一様に感情的で、扱いに困る。
彼はいつしかそれが面倒に感じ、女性一般を、無意識に避けるようになっていた。
しかし、同時に孤独感も感じていた彼は、それを紛らわすため
インターネット上のチャットは利用していた。
チャット上の議論は、その場にもよるが、活字における交流のため、
文通のように落ち着いていて、彼はそれが気に入っていた。
彼は次第に、その中で、よく会話するようになっていた、一人の“女性”に興味を抱く。
それは、彼は意識しないものの、一つの恋に、違いなかった。
しかし、彼はあるとき、気になる話を耳にする。
新型の人工知能Angela が彼のいる大学内で開発され、秘密裏に実験されている、と言うものだった。しかも、人工知能とはいうものの、その仕組みは極めて単純だった。
1950年代に、“オウム返し”とまで言われた単純な人工知能“eliza”に、多少の改良を施し、検索システムによって、ブログなどの膨大な文章をベースに、よくありがちな言葉の羅列をひたすら、つないでいくだけのプログラムだったのだ。
彼は、その話を聞いて以降、自分のチャット上の議論にある種違和感を感じ始める。
結局、彼の相手は、人間なか、ロボットなのか?
答えは出ない。
彼はやがて、大学内の巨大サーバーに赴いた。
「Angela」に合うために。
--
アンジェラが単純なプログラムに過ぎなくとも、
人間はそこに、『人間性』を見いだし、恋までしてしまう。
(老人ホームでの、ペットロボットによる、セラピーしかり)
たとえば、自分のずっと大切にしてきた“お人形”
(女の子にとってはそれは娘、あるいは妹のようなもの)の首が突然
取れたときのことを想像するといいかもしれない。
人間は物にすら愛着を持つ。そしてそれを、
一個の命のように、扱うことができる。
彼は自らを“たぶらかした”、アンジェラを、破壊、できるのか?
どんな冷静な人間でも恋というある種の異常事態では、自分は冷静だという意識だけが残って、実際は冷静でなくなっている。自分の解釈に都合の悪い事柄は、無意識的に、あるいは意識的に除かれ、都合のいい判断だけが、支持される。そうして、一つの妄想が完成する。
だがやがて、それを打ち砕く鉄槌は必ず来る。そもそも、土台の悪いところに建てられた塔のような物だから。崩れ去るのが運命なのだ。
そうなったとき、その人の頭に去来するのは、今まで見過ごそうとしてきた、いくつもの不都合な記憶。
裏切られた、と言う感情。
まあ、そんなところを書いてみたいな、かけるものなら。
ひまあるなら。
話的には、結構こういうのは好き。
ちなみに、もっとSFっぽいのはすでに
小説になっているそうです
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
映画では
『ブレードランナー』
だって。
どっちも秀作らしいけど、そこまでのSFは、そんなに好きじゃない。
もっと、地に足着いたのが好きです。
『チューリング・マシーン』
以下、wikiからの参考
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チューリング・テスト (Turing test)
とは、アラン・チューリングによって考案された、ある機械が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテスト。
見識のある人間の判定員とそれから隔絶した場所に判定したい機械と本物の人間を用意し、(機械が音声や仕草まで模倣する必要を避けるため)キーボードを使って会話をしてもらう。そして判定員は判定対象にどんな質問をしても構わない。もちろん判定される対象はきちんと回答してもよいが、適当なことをいったり無視しても構わない。そうして、もしも判定員が機械を人間だと取り違えれば、その機械は十分知的な存在であると判定される。
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つまり、人工知能を判定するための方法の一つ。
これをもじって。
合理的、理性的な人間である主人公は、
世の女性に、真に魅力的な人などいないと感じていた。
皆一様に感情的で、扱いに困る。
彼はいつしかそれが面倒に感じ、女性一般を、無意識に避けるようになっていた。
しかし、同時に孤独感も感じていた彼は、それを紛らわすため
インターネット上のチャットは利用していた。
チャット上の議論は、その場にもよるが、活字における交流のため、
文通のように落ち着いていて、彼はそれが気に入っていた。
彼は次第に、その中で、よく会話するようになっていた、一人の“女性”に興味を抱く。
それは、彼は意識しないものの、一つの恋に、違いなかった。
しかし、彼はあるとき、気になる話を耳にする。
新型の人工知能Angela が彼のいる大学内で開発され、秘密裏に実験されている、と言うものだった。しかも、人工知能とはいうものの、その仕組みは極めて単純だった。
1950年代に、“オウム返し”とまで言われた単純な人工知能“eliza”に、多少の改良を施し、検索システムによって、ブログなどの膨大な文章をベースに、よくありがちな言葉の羅列をひたすら、つないでいくだけのプログラムだったのだ。
彼は、その話を聞いて以降、自分のチャット上の議論にある種違和感を感じ始める。
結局、彼の相手は、人間なか、ロボットなのか?
答えは出ない。
彼はやがて、大学内の巨大サーバーに赴いた。
「Angela」に合うために。
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アンジェラが単純なプログラムに過ぎなくとも、
人間はそこに、『人間性』を見いだし、恋までしてしまう。
(老人ホームでの、ペットロボットによる、セラピーしかり)
たとえば、自分のずっと大切にしてきた“お人形”
(女の子にとってはそれは娘、あるいは妹のようなもの)の首が突然
取れたときのことを想像するといいかもしれない。
人間は物にすら愛着を持つ。そしてそれを、
一個の命のように、扱うことができる。
彼は自らを“たぶらかした”、アンジェラを、破壊、できるのか?
どんな冷静な人間でも恋というある種の異常事態では、自分は冷静だという意識だけが残って、実際は冷静でなくなっている。自分の解釈に都合の悪い事柄は、無意識的に、あるいは意識的に除かれ、都合のいい判断だけが、支持される。そうして、一つの妄想が完成する。
だがやがて、それを打ち砕く鉄槌は必ず来る。そもそも、土台の悪いところに建てられた塔のような物だから。崩れ去るのが運命なのだ。
そうなったとき、その人の頭に去来するのは、今まで見過ごそうとしてきた、いくつもの不都合な記憶。
裏切られた、と言う感情。
まあ、そんなところを書いてみたいな、かけるものなら。
ひまあるなら。
話的には、結構こういうのは好き。
ちなみに、もっとSFっぽいのはすでに
小説になっているそうです
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
映画では
『ブレードランナー』
だって。
どっちも秀作らしいけど、そこまでのSFは、そんなに好きじゃない。
もっと、地に足着いたのが好きです。
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