久々のトランスフェクション。
普段からやっている先輩に、教わりなおしてやったけど、
以前やっていたのとやり方がずいぶん違うので、とまどう。
ある意味、この実験がきれいに決まるかどうかで、
俺の人生、少し、変わるかも。
はたして、
うまくいくと、いいのだけれど。
年の瀬、師走の慌ただしさは、クリスマスの終演とともに過ぎ去り、
なんだか、急に世の中が静かになってしまった。
そうなると、ついつい考えてしまうのが、今年一年のこと。
思えば、ちょうど一年前、
自分はまだ、あの蛙の研究室にいた。
そして今、自分はウナギの研究室にいる。
この一年、環境が大きく変わって、とまどうことも多かったけれど、
いろいろ、初めての場所、初めての経験、初めての出会い、そして、いくつもの再発見があった気がする。
同じ実験でも、違うやり方があると言うことがわかったし、研究の方針、考え方、接し方にも、違いがあることがわかった。
もちろん、研究活動の面だけじゃなく、
医学部という今まで縁の無かった世界に飛び込んで、知らない用語に接し、知らない考え方に接することもできた。
学校以外でも、いろんなところでいろんな人に出会って、いろんな思いをした。
今年一番の思いでは...。ある場所を旅していて、偶然居合わせた、おもしろいおばあさん(相当な高齢)と、一緒に、小一時間、デートしたことかな。
そのおばあさんは自分のやつより立派なデジカメを持っていて、最近パソコンを習い始めたとかで、家に帰って、それに取り込むんだ、なんて言ってた。
すごいバイタリティー。まだ半分も生きていない若造は、終始押されっぱなしだった。
自分も一人旅だったし、向こうも、そのようだったので、お互い
旅の道連れが欲しかったのかもしれない。
名前も知らない、どこに住んでいるのかも、結局しらないけど。
たぶん、もう二度と無い、いい思い出ができた。
自分の、数えるくらいしかない、デートのうちの一つ。
どれもこれもが、ただただ、酸っぱくて、ちっとも甘さのないことが多かったけど。
まあ、でも考えてみれば、ほんとにいろいろあったなあ、この一年。ここに書いたことも、書かなかったことも、自分にとってはどちらも大きな、大切な思い出。
また来年も、いい思い出が増えてくれるといい。
書けることも、書けないことも。