2008-02-08

その日、氷の上で。

【今日やったこと】
ウェスタン。今までのことを簡単にまとめると、ウェスタン。

今日も、昨日も、これからも。

◇◇◇


しばらく書かない間に、いろいろなことがあったが、いろいろなことを、いろいろ書いていると、いろいろと、きりがないので、書かないことにする。


それでも仮にあげるとすれば、先週末、ワカサギ釣りに行ってきた。

あの、氷の上に穴を開けて、寒い中、小さなおもちゃのような竿でさらに小さなワカサギを釣るという、難儀な道楽。
でもなぜか憧れる、不思議な魅力がある。

実際自分も、あれには小さな時から憧れていて、いつかやってみたいと思ってはいたのだが、結局やる機会に恵まれず、今に至っていた。

たいていは湖のような、人里離れたところまで行かねばならないし、そこは人が乗っても壊れないほどの氷の張るようなところだろうし、右も左もわからぬ素人が一人、行こうと思っていけるところではないことが多い。

幸い今回は、研究室のメンバー計5人、うち3人は経験者という顔ぶれだたので、安心して参加できた(経験者と言っても、3人とも一回やっただけと言うことなのだが、それでも一人で行くよりはずっと心強い)。

車に、いすと、釣り具と、コンロと天ぷら鍋を積み込んでいざ出発。

ついた場所は石狩川の河口付近。すでに多くのつり客がテントを張っていて、まるで、氷上のキャンプサイトのようだった。子供達は、深く積もった雪の上で、雪合戦をしている。

適当に空いていたところを自分たちのポイントにきめ、隣の家族づれのお父ちゃんから借りたドリルで穴を開けた。全員分空けたところで針を下ろし、つり始めた。

たった一回だけとはいえ、さすがに経験者は強い。3人とも、入れ食いとまでは行かないものの、堅調に釣れ始めた。自分は前半一時間ほどは全くの坊主。あたりすら来ない。

出自の関係上、海釣りの経験は多少ある方ではあるし、もっと人並みに釣れると思っていただけに、ちょっと悔しかったが、こういう物だろうと思い、根気強く待った。

その間、3人にはひっきりなしにあたりが来ている。釣れるまでは至らなくても、"あたった!"、”きた!”、とその都度歓声を上げる。自分の穴蔵は黙り込んだまま、ただ川面の水の静かな上下だけがゆっくりと繰り返されている。エサまでも、吸い込まれてしまったよう。何が違っているんだろう。えさの付け方とかは間違っていないはずだけど...。

互いの穴の間の感覚はせいぜい1m。それでも、よく釣れる人とつれない人がいるのだから、全く持って不思議だ。

待ちに待って、自分もようやく釣れたのは、つりもだいぶ佳境に入ってから。
いざあたりが来てみると、それは驚くほど弱い物だった。
自分は寒さを警戒し、いつも以上に分厚い皮の手袋をしていたから、もしかすると、そのせいで、このあたりを相当見過ごしていたかもしれないと、そこに至って初めて気づいた。

魚に竿を折られることもある、海釣りのイメージが先行していた自分にとって、このような繊細なつりは初めての経験だった。さらに寒いので、手の指先の感覚はほとんど無くなる。えさをつけるのさえ、大変だった。これは、つりと言うより、魚との我慢比べかもしれない。

でも、釣れた後にその場で作った天ぷらは最高だった。藻のような青い香りが独特だが、身も衣もさくさく。結局、三匹しか釣れなかったのに、4匹食べた。

帰りには温泉にも立ち寄った。寒い中、体は自分の感覚以上に冷え切っており、足の先などは濡れて感覚が無くなるほどだっただけに、格別だった。

風呂から上がって、疲れがどっと出て、アクエリアス片手に待合室で思わずぼんやりしてしまった。

次の日は普通に研究室で、正直、身体的にはだいぶしんどかったが、気分はかなり一新された。

新しいことに挑戦するというのは、本当にいい刺激になる物だ。

冬だからと言って、家の中ばかりにいちゃいけないなと、改めて思った。