2011-03-19

悪い噂

twitter上で、現地に入った、互いに無関係と思われる複数の方が、被災地の治安の悪化を報告している。

私は基本的に、こういう時期の悪い噂は、心の不安から来ることが多いので、信ぴょう性が低いと考えるが、こうも話が揃うと、少なくとも地元でそういう不安が蔓延しているか、本当にそうした事態が発生しているかのいずれかであると、信じなくてはいけない。いずれにしろ、いつまでも放置しておけない事態だ。

投稿によると多いのは盗難で、具体的には燃料の盗難があるとのことだ。
いくら田舎の、基本的には穏やかな地方とはいえ、いろんな人間がいる。

それに、この極限状態だ。他の国での大災害の現場を見れば明らかだが、泥棒の一人や二人、出ないほうがおかしい。被災地の人はみんな助けあっていると信じたい気持ちはやまやまだが、それと事実とは別だろう。まずメディアはいつまでもお涙頂戴の取材ではなく、この報告の真贋をしっかりと取材するべきだ。そして、必要十分に報じるべきだ。

いかに困窮する被災地であるとはいえ、これは当然犯罪だ。誰かのものを盗むということは、こうした状況下では他人の生きる権利を奪っているに等しいので、許されるべきものではない。

治安が悪化すれば、これから本格化するボランティアの活動の妨げにもなる。善意で入ったボランティアが被害にでもあったら、目も当てられない。

今回の津波で、役場の機能が麻痺し、警察単独の治安維持には期待できそうもない。

とにかく治安をこれ以上悪化させないことが最優先だ。
自警団を警察や、その応援のもとにしっかりと組織し、これ以上の治安の悪化を何としても防がなくてはいけない。

また、行政は住民にこれからの復興プロセスを、具体的に、早急に示す必要がある。
こうした治安の悪化は結局のところ、未来に希望を持てないことが根本にある。
だから、これから、こういうプロセスでやっていけば、いつごろにみなさんは普通の生活に戻れる。そして、国や町は、そのためにこうした援助をする。そうした工程表と目標日程をとりあえず示すことだ。

未曽有の災害で先行きの見えないことは国も同じだから、今の段階でそれを示すことにはためらいもあるだろうが、たとえ結果的に間違いはあっても国が目標を示さないことには、住民は将来など描きようもない。

幸か不幸か、災害からの復興はこの国にとって全くはじめての経験ではない。
これまでの経験の延長線上に、被災地の将来は描けるはずだ。

日本の国は、町を失った被災者に、ビジョンを示せるだろうか?
それがこの国の、最も苦手とする分野なのは分かっているが、はびこる悪い噂を払拭するために、残念ながら今はそれを問われている。

1 件のコメント:

  1. 俗にいう火事場どろうぼうは、神戸淡路震災の時にも存在していた事は事実であり周知の事である。この時の場合は、地域の住民が所謂(よそもの)を監視し、常に地域を巡回したり、見回りしたり、被災したにも関わらずそういう負担が合ったという事も記録に残っている。

    またそれが繰り返されるという事は、想定すべきであるが、未曾有の大災害に対して全てが完璧に手を回すべくもなくという実情であろう。小生からの提案は、やはり被災者や被災地域の方々には負担になってしまうが、(よそものを見張る)事に尽きると考える。このような状況下では、やはり(自分達の身は自分達で守る)事が最短であり、急務ではないであろうか。警察官や自衛隊の警邏隊を配置することが一番望ましい事であるが、それも物理的には難しい状況であると考える。

    またボランティアも識別しなければならない。これは、やはり一元管理しかあるまいとおもう。これは、宮城県庁が事前登録制とし、仙台で事前登録をし身分証明証のコピーや個人情報をしかるべき提出して登録制に合意して頂くしかあるまいと考える。

    次善の策として、各現地の災害本部に窓口を儲け、そこに事前に用意した
    身分証のコピーを原本と一緒に確認し、提出する事で補えると考える。
    それぞれに町には、まだ道路も限定的に開通しているだけであり、関所を設ける事は比較的簡単であると考えられる。ボランティアは、随時身分証明書をバッチなどで携帯し、外部に見えるようにしておけは傍目にも明確に区分出来るものの考える。

    残念ながら、これぞ!という決定打は、物量から考えてないという現状を
    受け止めた上で、現実的に対応が必要である。これは、被災した地域の実情に
    即したやり方が必要になると考えられる。

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