2007-08-12

炎天夢想

【今日やったこと】
天気が良かったら朝から遠くへ出かけようと思っていたが、
寝坊して、起きたのはお昼近く。せっかく天気が良くなったのに、遠出できず。

仕方なく、また、前にカレーチキン何とかを食べたモスへまた行き、前のやつが期待したほど辛くなかった反省を生かして、スパイシーモスバーガーという、いかにも辛そうなやつを選んでみた。(別に、モスで辛いものを無理して食う必要も無いとは思うのだが)

今回のやつは、名に違わず、確かにちょっとは辛かった。が、モスバーガーの常で、せっかくのソースの大半が、みんな紙包みの中に落ちてしまって、なんだかもったいない気分になった。あれを上手に食べられる人は世の中に何人いるのだろうか。

最近コンポを買って、使ってみたくてしょうがない母親から、帰省前に何かいいCDを買ってくるように言われていたのを思い出し、お決まりのブックオフへ。小野リサのデビューアルバムというやつを買った。家に帰って聞いてみたら、予想していた、けだるい感じではなく、意外とアップテンポだった。まあ、でもなんか癒される感じはあるので、良しとした。

その後、北大植物園に行ってみた。
植物園という名前ではあるものの、実際には有料の緑地公園といった感じの広大な植物園だった。札幌都心の、ど真ん中に、あんな広大な公園があるというのは、考えてみるとすごいと思う。アイヌゆかりの植物などに気をとられていたら、ほんとに日が暮れてきたので、家に帰った。

今日は特に暑い日で、500mLのミネラルウォーターと、北海道名物“ガラナ”を一本ずつ空けてしまった。初めて飲んだガラナはなんだか懐かしい気がするけど、なんだったか、思い出せない味だった。

買い集めたいと思っていた数少ない漫画の一つ“プラネテス”をやっと全巻集めた。
著者の考えがまったく理解できないシーンも多いが、一応 SF で宇宙が舞台のわりに、話が内向的なので面白いと思って集めていた。

家に帰って読んでいたら、宮沢賢治を読みたくなった。
『春と修羅』読んだこと、ない。

『この変態を恋愛という』

すごくかっこいい。が、ここだけ抜き出すと、誤解されそう。
この変態は、あの変態のことであって、あんな変態のことではないよ。
(全文は、春と修羅『小岩井農場』のパート9を参照)
◇◇◇


今日、炎天下の街をさ迷い歩き、思ったこと:

人を幸せにする自信なんて、ちっともないや。
自分が明日どうなるかも、わからないのに。

ガラナが歩くたびに、バックの中でだぽんだぽん音を立てる。
空けるたびに、炭酸が噴出す。

炎天。

“どうせおいらはやくざなあにき”

やくざな商売だねえ、学者さんも。

家族連れ、親子連れ、老夫婦。
自動車を誘導する警備員、ティッシュを配るアルバイト、木陰を行く、カップル。

一方は車椅子。それを押す、女性の白く長い左足には、二足歩行と引き換えにひざの自由を奪った、二本の金属柱のフレーム。

男性が遠くを指差し、女性はそちらを向いた。
長い左足を、ぎこちなく振り回し、横断歩道を渡ろうとしている。

でも、なんか、楽しそう。二人とも。後ろからは見えないその表情は、たぶん、笑顔だ。

足取りは、すこぶる軽く。

太陽が照りつける。
世界が、白い。

芝生でねっころがるおじさん。
木陰で本を読む女性。

俺のしたいこと、していやがる。

知らない人の記念館に、入ってみる。

後から入ってきた二人連れ

『ここ、何?』

つまらないから、出た。

炎天。むっとした風が吹く。

カラスの寄り合い。
暑いので、みんな口をぱっくりあけている。

口をあけたまま、こっちをちょっと見て、
大急ぎで飛び立っていった。

なにもしないのに。

カラスの羽音、はねの虹色。時折、場所違いの、かもめの声。
海は遠いのに。

アメンボウを見ていた。

細すぎて、本体は見えないのに、
その影は水底に、手足に大きな“丸”を伴ってはっきり写る。

アメンボウのゆがめた水面の形。

アメンボウは、後ろ足はそのままに、前足を前後にすばやく動かして、入り口も出口も無い止水を進んで行く。

流れの無い水面に、波紋だけがのこる。

ガラナは歩くたびに、バックの中でだぽんだぽん音を立てる。
空けるたびに、炭酸が噴出す。

もう、帰ろう。

4時過ぎ、人通りが激しくなってきた。
なぜ?
あたりはまだ、こんなに暑いのに。

暑いから出たくない。休日出ないのはもったいない。

けちだ、みんな。働く人も、働かされる人も。働かない人も。

働けない人は、なんと言うだろう。

この夏の炎天。

アクエリアスを薄めて飲んだ。

甘さが最初に消えてしまった。ほしいものは、いつも最初に消えてしまう。
後に残るのは、薄いナトリウムと、マグネシウムのほのかな味。

にがじょっぱい。

深夜。夜風に救われるように家を出た。
大学病院の入院棟に、明かり。

働けない人は、なんと言うだろう。

眠ったような救急車。非常搬送口。エントランス。

熱帯夜。札幌の。じめじめする。

空にはペルセウス座流星群。見えるわけ、ないか。

遠く、ススキノの方向に、サーチライトが見える。

細すぎて、本体は見えないのに、
その影は水底に、手足に大きな“丸”を伴ってはっきり写る。

帰って、今日はもう、寝よう。

熱帯夜。札幌の。まだ、じめじめする。

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