2007-08-16

盆考

【今日やったこと】
ライブラリーからスクリーニングした遺伝子をカルチャーして
ミニ・プレップして、シーケンスを読んだ。カタカナまみれの一日。

最近シーケンス読みすぎ。試薬、ゲル、底をついた。
でも、お盆休みだから、業者さん、来ないんだよねえ。

◇◇◇

お盆は、あの世から先祖の魂が帰ってくる日だということで、
その魂を一家全員で迎えるために、その子孫も里へ帰っていく。

東京、特に都心は、お盆の時期、もぬけの殻だという。
ドーナツ化現象で、人もいなければ、スズメもいない、といわれた都心だが、
どうやら、魂すら、そこにはないらしい。

(『ドラえもん』のエピソードの一つで、未来へ行ったのび太が、人っ子一人いない無人の町へたどり着く。のび太はそれを見て、未来には人類は滅亡している、と思ってしまうのだが...。
実際には、街の人たちがみな、旅行していただけだった、という落ちがついている。今やそれも、ほとんど現実の話だ。)


空虚、妄想、背景の無い、張りぼて、そんな言葉が浮かんできた。
人工の、夢の、理想の、街。でも実は、そんなもの、存在していないのかもしれない。
あそこを、自分の街だと思っている人、あそこにどれだけ、いるのだろう。住民票を出し、一応住所として登録はしていても、自分のよりどころではない街。一時的な吹き溜まり。風向きが変われば、ふっとなくなってしまいそう。

(『智恵子は東京には空が無いといふ。本当の空が見たいといふ』 ― 高村光太郎『智恵子抄』)

その点、根っこのある田舎は強いよなあ。
何かあれば、とりあえず、人が帰ってくるもの。

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