2008-04-01

午前三時の妄想

ううう...。
こんな時間に、下手に文章を書き始めると、
こういう事になる。

エイプリルの馬鹿.....。
マイルス...ごめんよ....?

ちょっと、大人の文章を書きたかっただけなのに...。

O沢、すまん...。
ちょっと不謹慎だ...。

だめだ...。
全体的に、不足だ...。

そもそも、経験が...、


この時間の、妄想力は、恐ろしい...。

せっかく書いたから、自分の記録のために載せるけど...、
こういうの嫌いな人と...、今幸せな人と...、
妊婦さんのいるご家庭の方は...、是非読まないで...。

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Kind of blue


札幌午前三時。

僕らが会うのはいつも、その時間だ。
街はすでに寝静まっている。往来する車ももう無い。
しかし、僕らだけは、この死に絶えた街の中で、
二個体の生命として息づき、その過去に失われた交流を果たそうと、
夜の闇に咽いでいる。

君の声が聞こえる。
暗闇の中で、その出所は分からないが、僕はそれを探り当てようとしている。
君の、そんな声は初めて聞いた。あの頃から君は、長い時間の経過を経て、
僕の知らない、女性になっていた。


僕らはかつて一人だった。
僕らはどこへ行くのも一緒だった。
駅前の通り、小さなアーケード。
僕らだけの古いレコードショップ。
喫茶店。お気に入りの雑貨屋。
空の色、花の色、君の唇。
僕のものだった。どれも、これも全て。
君も、それを受け入れていた。全てが、僕のものになり、
同時に、君のものであるという生活を。
僕らはお互いの体すら、共有しつつあった。
それなのに。


また、声がする。
大きく、より深く。君はなにを求めているのか。
この部屋の闇を、臭いを君は嫌っているのか?
しかし、すでに世界は光を失って久しく、
君の努力は虚しく、ただ、声となって、砕け散る。
朝はまだ遠い。

声は、理性の首輪から解き放たれ、すでに自由を手にしていた。
それはもはや、喉を震わせる音に過ぎなくなっていたが。

今君は、一本の楽器でしかない。がらんどうになった胴体を支えて、
君は夜に泣いている。吹き込まれた空気は体の内部を通り、
喉の奥で反響する。君は一本の管。

中空の君に、もとのような充足をもたらすために僕は
君にひたすら風を送り込もうとしている。
君はそれに連れて、やせた喉を震わせている。

しかしそれは、天使の笛の音と言うよりは、地獄の叫びに聞こえる。
天を目指して昇っていくが、果てが見えてしまっている。

やがて、その喉は、絶えきれないほどの圧を掛けられた日には、
はじけて飛んでしまうのだろうか。

しかしその夜、僕には、君は、
そうなることを望んでいるように思えた。


もうダメなのよ、私たち。
久しぶりに出会ったとき、君はいった。
末期、ね。

その言葉を吐き出すとき、その指輪を失った左手は下腹部を軽く押さえていた。
君は以前は吸わなかった、たばこを吸っていた。
化粧もずいぶん、濃くなった。

君は、あの人と出会ってから、変わった。
聴かなかった音楽を好むようになり、
見なかった映画を見るようになり、
知らない言葉を使い、
知らない歌を歌った。
僕らの間では飲んだことのない、
強い琥珀酒も好んで飲んだ。

僕はそれを認めなかった。
君の心が、僕から離れた証拠だと、認めるわけにはいかなかった。
君の、多くの友人関係の中で、君が成長しているだけなのだと思うことで
僕はかろうじて、自分を保っていた。
それなのに。

彼は、君と全てを、新たに共有しつつあった。
君は、彼によって、新たに作り替えられていた。
僕の知っている君は、塗りつぶされようとしていた。
僕は耳を塞いだ。

沈黙の時間の中、再び君は現れた。
そのときも同じように、左手はそうして、優しく下腹部を、支えていた。

結婚することにしたの
君は言った。
あなたにも、祝ってもらいたくて。

私たち、"仲良し"だったでしょ?


より大きく、より深く。圧は高まっていく。
君はこの世界を、僕らを覆う、得体の知れない闇を、
その細身の体で懸命に吸い込もうとしている。
僕は君に風を送り続けている。
君のその闇を、少しでも早く、晴らしてあげるために。
闇はいっそう深くなる。僕らは闇に埋まりそうになる。
その闇から伸びてくる冷たい手を振り払うほどに
僕らは、僕らを見失っていく。

流れたの。
あの赤ちゃん。
君は昼間言っていた。

それから何度か、兆しはあったけど。
君はそこに手を添えていた。
ダメだった。

彼、子供が好きなのよ。
いっぱい作ろうねって。
君はかつて、言っていた。
僕の知っている君が、まだかすかに残っていた頃。

彼、それから浮気し始めたみたい。
数ヶ月もしないうちに、その女に会わされた。
左手に、私に呉れたのと同じ、指輪を付けてた。
そして、その左手は、静かに、おなかを支えてた。
私は...、

午前三時五十九分。
世界が止まる。
鳥が鳴き始める。
世界は目覚め始める。
日の光は、次第に、僕らを追いかけ始めた。

しかし、僕らの闇は晴れない。
太陽が昇っても、僕らは闇をふりほどくことができなかった。
闇の名残を、一身にまとったまま、僕らはまだ、一つの個体であり続けた。

やがて、一瞬の真空が僕らを包み、僕らはつかの間、
春の夢を見た。そして、その甘い花の香りもさめやらぬうちに、
僕らはすでに、また二人の人間に戻っていることに気づいた。
僕らの間にはすでに、届かないほどの暗い裂け目が開き始めていた。

君の中に残した風はまだ君の息を上げていたが、
やがてはそれも消え始める。
そうなれば、僕らは、また、かつての呪いでつながりをたたれた、
二個の生命に戻ってしまうのだ。

僕は、そのことが恐ろしくなり、
現に呼吸を続ける抜け殻のようになった君に体を押しつけた。
体はまだほのかに上気しており、
僕はその中に、君を見いだそうとしたが、
どこまで掘り返しても、君は見つからなかった。

抜け殻の君は、体の上でさまよう僕をしばらくそうして、
なすがままにさせていた。

と、やがて、僕の首筋に、そのすっかり痩せて細くなってしまった、左手を当てた。
そして、ゆっくりと、喉をさすると、心配しないで、とでも言うように
静かに、微笑んだのだ。

朝の光は、開け放たれた窓の隙間から狭い部屋を照らしている。
君の顔は、依然影になっているが、僕に差し出された小さな左手は、
その黎明の青い光を浴びて、失われた彫像の片腕のように、
しなやかな曲線を描いていた。


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ううう....。
だめだ...。

団鬼六先生...。
私はこれまでです...。

やっぱり、俺は、純愛しか...。
しかも、かなわぬ片思いしか...。

書け...、ね...ぇ......。

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