2008-12-25

積年

ノスタルジーが
いい加減、年を取りすぎた僕らに
重荷のようにのしかかってきて潰されそうな僕の背骨の軋む音が聞こえる

いいや、これは悲鳴なのだ
潰されそうな僕自身の肺の奥から響いてくる、喉を焼くような潜熱が声帯を焦がすように
喘ぎが、絶え絶えと続いている。


僕はもう、斯うした過去とは決別し
生まれ変わったかのような顔をして、今日の時代を生きているけれど

夜の12時を過ぎれば、違う人生が始まった幼少のころの様にはもううまくいかなくて
昨日と今日と明日と明後日の、無分別なつながりに
首を吊られたような苦しみを覚えるのです

幼い頃の楽しかった思い出さえもが、今の僕の心に見境無く干渉し
そうして忘れたはずの感傷を今更になって揺り動かすのです
僕は未だ過去に縛られているのでしょうか
思い出とはどうして
乞うも現世を捉えてしまうのでしょうか

亡霊の笑顔に魅了された者は
いずれも皆黄泉の国に連れさらわれてしまうのが
古くからある物語の
決まり切ったエピソード

感傷の古傷からあふれ出した血液が
辺りを覆う頃
僕は一人微笑みを浮かべて
地の底を這うのでしょうか

教えてくださいませ
どなたか
縫合の仕方を
針と糸の併せ方を

ピンセットは、ここにございます
古傷は、ここに、

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