2009-06-30

かけあしのプラハ

プラハ二日目。

本当なら一日で周るはずでは無かった道のりを一日で周ってしまった。

さすが国際学会だけあって、学会の予定表を見たらどれもとても魅力的な演題ばかりで、いざ学会が始まってしまったら、もう外に出れなくなるだろうと思ったので、受付だけ行われる今日の日程を利用して、とっとと周ってしまった。

受け付け開始は午後二時。
なので、朝八時から行動開始。
実験には、どんなに頑張っても昼過ぎからしか出てこないくせに、旅行となると、やけに活動的だ。

最初に行ったのは、ホテルから一番近い観光地、プラハ城。

長い坂を上って、すごく時間の短い、せかすような横断歩道を渡っていくと、そこに、そびえたつ二本の尖塔が見えてきた。

それがプラハ城のシンボル、聖ヴィート大聖堂。
城そのものは、宮殿のような平城なので、あまり目立たないが、ゴシック様式の重厚なこの大聖堂は、近づくものに、押しつぶされるような威圧感を与える。

プラハ市内に入ると、こういう建物が至る所にあり、観光客がパシャパシャ写真を撮っているのにあちこちで出くわす。
観光客らしさをあんまり表に出すと、すりの標的になると誰かが言っていたので、できるだけカメラは必要な時以外は出さないようにしていたのだが、あまりに美しい建物が立て続けに現れるので、挙句の果てには、手に持ったまま、ぶらぶらしていた。

行き買う人は見たところほとんど観光客らしく、さながら、京都のよう。

実際、そんなものらしく、お土産はやや高め。
キーホルダー400円前後。

ところが、少し道を入ると、露天のならぶ通りに出くわした。

個々の商品がすこぶる安く、チェコ特産の、素朴な木のおもちゃなどが、キーホルダー並みの値段で売られている。
これだったら、ここで買うんだったと、後悔。

そのほか、絶対行くと決めていた、ミュシャ博物館、カフカ博物館にも足をのばした。
カフカ博物館には日本語の案内の本が用意されていたし、ミュシャ美術館のお土産は少し高いけど、ミュシャの絵がふんだんに使われていて、少しかわいい。研究室のみんなのために、奮発してマウスパッドや、マグネットを買った。

ただ、ミュシャ博物館の受け付けのお姉さんが少し怖かった。
チェコは、おつりを嫌う人が多いらしく、おおざっぱにお金を払うと、あからさまに不機嫌な顔で、
「小銭、無い?」
と聞いてくる。
だからできるだけ、買い物のときは小銭を出すようにしていたのだが、今回はちょうどなかったので、紙幣をそのまま差し出すと、お姉さんは、紙幣をむんずとつかんで、乱暴にレジに放り込んだ。そして、小銭をジャラジャラと取り出したが、扱いが乱雑だったためか、一個ぽろりと落としてしまって、
「ちっ!」
と、舌打ちして、床に落ちたコインを屈みこんで拾った。

カウンターの上に、落としたコインを、ドス、と置いてくれたので、おもわず、
「...I'm sorry...」
と蚊の鳴くような声で誤って、中に入った。

まあ、そんなこともあるけれど、小さな博物館の割には楽しかった。

その他、小腹が空いてケンタに入ったら、ツイスターがおいしそうだったので注文しようとしたところ、発音がうまくいかず、ちっとも伝わらずに、注文だけで苦労したりした。その上、ペプシはセルフサービスらしく、空っぽのカップが出てきて驚いた。そのカップの表記は"0.4L"となっており、ここまで汲め、という意味か、淵のところにちゃんと線まで引かれていた。

実際に汲んでみたら、機械からは、なぜか泡ばっかり出てきて、カップにいっぱい注いだつもりが、半分も入っていなかったりした。

しかも、ケンタのセットはどれも末尾が九の価格が多く(119Kc, 109Kc等)、ぴったり払うのはそもそも難しい。

ようやくありついたツイスターを頬張りながら、どこの国でも変わらない味が食べられる安心感と、つまらなさに、舌鼓を打った。

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