2011-04-16

現地報告に潜む危険

【デイリー南三陸 編集後記】更新分

避難所からの報告で、「〇〇には支援物資のダンボールが山になっている」というものがよくある。

こうした報告を目にすると、我々はつい、「あ、それではここは物資が足りているのだ」と判断してしまう。

しかし、少し待っていただきたい。

「そのダンボールの中身が、食料なのか、毛布なのか分からない」現地に入った方がそう話していた。「リストでも作れればいいのかもしれない。しかし、そんな暇は、被災地の誰にもない」

避難所には今、数百人を越える人間がひしめいている。つまり、集まる物資は、数百人分の生活物資だ。今まで、各家々に届いていた家財が、一軒の家に届き始めたと考えれば、その規模がわかるだろう。

リストをつくろうにも、右から左へ消費されていく。大手運送会社のような、物資の配送センターの機能を現場のスタッフに求めるのは酷だ。彼らの多くも被災者で、休日など知らない生活をしている。ボランティアとて、それは同じだ。

現地からそのような報告が来たら、まずは考えてもらいたい。「その報告の、ダンボールの山の中身は、一体なんなのだろうか。物資は本当に足りているのか」と。

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