2008-04-22

好奇

自分は、好奇心に突き動かされるようにして、
これまで生きてきた人間なので

女の人を好きになるときも
大抵、好奇心を突き動かされたときだ。

だから、
どんな人が好きと聞かれて、
『おもしろい人』と答えることが多いのだが
どうやら周りは、
自分が、冗談好きの人を好きなのだと、勘違いしているようなのだ。

そう言う訳ではないのだよ。

おもしろいという言葉には
興味深いというニュアンスだって、立派に、あるじゃないか。

現に、

女の人とすれ違って、
友人が、
きれいな人だったな
と言うとき、
僕は
何で、あの人、靴下が、しましまなんだろう
と言うことばかりを、延々と考えている。

僕の中では、
近所の研究室に、靴下がしましまの人と、
なぜかトイレから出るとき、いつも僕とぶつかりそうになる人と
僕が開けた、冷凍庫が廊下の通行を邪魔するために
いつもその扉の脇を、するりと、すり抜けていく女の人がいることは知っていて、

その他では、時々やってくる、郵便局のお姉さんの鞄に書いてある
ゆうパックという赤い文字だけが
頭の中に染みついている。

考えてみれば誰一人、顔を思い出せず、
しましまとか、ぶつかりそうの時の、わっと言う声とか、
すいませんという、謝りだとか
ゆうパックと言う赤い文字だとか、
そんな事で、その人をかろうじて認識しながら

顔も知らない顔見知りばかりが、増えていく。

もし、違った場所で、それらの人にすれ違っても
そこに、しましまか、冷凍庫か、トイレかゆうパックがなかったら、
僕はその人を認識できないと思う。

唯一、女の人の顔をまじまじ見るときは
その人の顔のものすごく変な場所に
ニキビかほくろか、しわを見つけて、
そこに、化粧で巧妙に隠そうとした跡を見てとって、
それでも見つけてしまった稚拙な喜びに浸っているときだけだったりする。

そう言うのを全く気にせず、隠そうとしない人か、
あるいは隠す物がないくらい、整った顔の人というのは
あんまり、おもしろくない。

僕はおもしろい人が好きです。

私、目だけは、いいのよ
と、自慢する人とか。

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